事例・特集

ザリガニワークスに緊急取材!あの人気グッズのアイデアの源泉は?後編【ノベルティトップランナー】

(最終更新日:
このエントリーをはてなブックマークに追加

ノベルティトップランナーとは?

ノベルティやプロモーション、グッズなどに関わり、第一線で活躍をしているあの人に突撃インタビュー。
今回は、マルチクリエイター「ザリガニワークス」の武笠太郎(むかさたろう)さんと坂本嘉種(さかもとよしたね)さんに、いろいろお話をお伺いしました。

ザリガニワークス緊急取材 前編」から引き続き、武笠太郎さん・坂本嘉種さんのお二人にお話を伺っています。

2020年初旬以降、新型コロナウイルスの影響もあり、ノベルティをはじめ、グッズ制作の現場が大きく変化していますね。
そんな中、ザリガニワークスは精力的に作品を発表し続けているのですよね。
最近発表したアイデア・作品の制作秘話を聞いてみたいぞう。

新型コロナでプロジェクトの重要度が急変 急遽CM制作も

©️淡路島オニオンキッチンカー

最近のザリガニワークスの仕事からは、「淡路島オニオンキッチンカー」を紹介したいと思います。
つい先月、公式CMも配信開始しました。

淡路島オニオンキッチンカーCM

淡路島の最南端にある道の駅「道の駅うずしお」や「うずの丘 大鳴門橋記念館」を経営している会社さんから、「何か面白いキッチンカーを作りたい」という依頼がありまして。

キッチンカーの企画って、ほとんど実例がないかも。

キッチンカーでカフェをやってみてはどうか?とか、冬はラーメンやりたいかなとか、色々議論して、最終的には、淡路島といえば”玉ねぎ”ということで、玉ねぎをテーマにしたキッチンカーに絞ろうということで意見がまとまりました。
大きな玉ねぎを半分ずつを軽トラに乗せた、2台で1つ(ニコイチ)のキッチンカー「たまお」と「ねぎこ」です。
エアーで天井が上がる仕掛けになっています。

©️淡路島オニオンキッチンカー

クライアントにキッチンカーが2台になるけど、どうですかと提案したら、「面白い!」となって企画が進みました。
現在はドリンクとかき氷の販売ですが、冬はまた違ったメニューを販売する予定です。

キッチンカーの企画の依頼は、新型コロナ問題発生より前に受けていたのですが、皆さんご存知の通り、新型コロナの影響で、キッチンカーを使う予定の実店舗自体が営業しにくい状況になりました。
そのため、オニオンキッチンカープロジェクトの役割や重要性が、企画の途中に変化し、より重要度が増したので、CMを制作することになったりと、途中からプロジェクトが大きくなりました。

まるで見たことがないキッチンカーですが、どうやって作ったのですか?

©️淡路島オニオンキッチンカー

それが大変だったんですよね。
キッチンカー専門の業者さんからは、「そんな複雑なやつ作れません」と言われて全部断られました(笑)。
でも、我々の後輩でFRP造形をやっていて、キッチンカーを作ったこともあるという会社を経営している人がいたので、その人にお願いし、なんとか製作することができました。
図面を一緒に作りながら、こまめにやり取りしながら作り込みました。

さらに、コロナ禍でしたが、製作にはどのような影響がありましたか?

製作の現場に行きにくくなったため、主にZoomで現場を確認しました。「その入り口から中に入れますか?狭くないですか?」とか。
クライアントとも、ほぼZoomでのやり取りです。

製作途中に、クライアントさんが現場を見に来る予定にしていましたが、移動できなくなくなってしまったので、結局、クライアントさんが現物を見たのは、納車の日が初めてでした。
こんな様子なので、オニオンキッチンカーは作るのに1年くらいかかっています。

淡路島オニオンキッチンカーは、2021年4月17日にオープンしたばかりなのですよね。

キッチンカーを前から見たときの顔も可愛らしいぞう。
走る姿を見かけた人まで幸せになりそう。

親と子供どちらが面白いと感じるのか?立つ軸足をぶらさない

「GLASS FOR KIDS」シリーズ
Prodeuced by Sakae Industry INC. ©️zariganiworks

今回の緊急対談では、ザリガニワークス企画デザインの商品の一部を持ってきていただいていますが、先程から気になっているのがこのグラス。

これはガラスのグラス?いや、ガラスじゃないかも。

第一弾の企画が好評で、第二弾・第三弾とシリーズ化していただいているのが、この「GLASS FOR KIDS」シリーズです。
「GLASS FOR KIDS」は、透明度が高くてかつ環境にも人体にも優しい新素材、「Tritan(トライタン)」を使った子供専用のグラスですよ。

「BEER MUG FOR KIDS」
Prodeuced by Sakae Industry INC. ©️zariganiworks
「Cocktail Glass For Kids」
Prodeuced by Sakae Industry INC.©️zariganiworks
「ROCKS GLASS FOR KIDS」
Prodeuced by Sakae Industry INC.©️zariganiworks

ぐびぐび…と、子供がお父さん・お母さんと一緒に晩酌を楽しめるわけですね!

ガラスだと危ないので子供に持たせるのは避けたいのが親心ですが、プラスチック素材を使っているので、倒しても落としても安心です。

どういう経緯で子供専用のグラスを企画することになったのですか?

栃木市にある株式会社サカエ工業というプラスチック成形の企業から「何か自社製品を開発したい」という依頼がありまして。
製品に関する具体的な要望がなかったため、何を作るのかというところからザリガニワークスで提案しています。

最終的には、子供向けのグッズを作ろうとなりました。
子供向けといっても、「子供に持たせて、親に可愛いと言ってもらう」のか、「子供が面白いって思う」のか、どちらに軸足をおくかというのがあります。
「GLASS FOR KIDS」のシリーズは、後者、子供が面白がれるということを大事にしようという方針で作ったプロダクトです。

でも、子供に面白いと思ってもらっても、結局買うのは親ですからね。
お金出すのも、決済権があるのも親なので、親がよしとしないと売れないというのも分かる。
大切なのは、発想する段階やアイデアを膨らませる段階で、どちらに軸を置くのかということですね。

親と子供の両方が面白いというのが最高ですが、どちらの軸足に立つのかピントを合わせて、さらにチームで共有していかないとぶれてしまう。
親と子供、両方の”面白い”を叶えるけど、企画の段階で軸がぶれてしまうと、当の子供の視点でグッズを見た時に”ダサく”なる。
子供が見たときに、そもそも親にねだらなくなるグッズが出来上がってしまいます。

会社の事情と”面白い”を組み合わせることの天才でありたい

企画やアイデアはどこで練るのですか?お二人が会議室で“ウンウン”と考え込んでいるイメージが湧いてこない・・。

人気クリエイターさんって、お風呂に入っているときに企画が降ってくるみたいなイメージが・・。

2人で定期的に企画会議をして、意外と“ウンウン”と考えますね。

“ウンウン”と考えるって、他業種の人から見ると意外とネガティブなイメージに捉えているかもしれませんが、逆に僕らは2人なのでその“ウンウン”が効率的にできているかもしれませんね。
人数が多い会議だと、「その角度のアイデア、今いらんだろ」とか、ありがちですよね。
2人だと目標の共有がしやすいので、“ウンウン”の作業も、無駄に頭を突き合わせて難しく捏ねるような感じでなく、ただの“コンピューターの処理中”程度のものになります。

企画会議をする一方、アイデアの種みたいなものは、やはりお風呂入っているときなどに降りてきたりしますね。

それと、優れたアイデアが現実のプロダクトになるかって、クライアント側の事情に左右されてしまうところも大きいんじゃないかな。
ザリガニワークスとクライアントとのやり取りが気になる・・

緊急対談前編で紹介した、ガチャガチャの「石」とか、企画を見たクライアントはどんな反応だったのでしょう。

カプセルトイ「石」
©TAMA-KYU

ブシロードクリエイティブさんにガチャガチャの企画を毎月提出しているのですが、毎回渾身の企画書を出すというよりは、「ちょっとこれどうでしょうか?」と気軽に出して、反応を見るということはありますね。

「石」の場合も、そんなノリで、会議の場で反応が薄かったら、すぐ企画を引っ込めるつもりで出しました。
それが、会議の場で面白がってもらえて、トントン拍子で企画が決まりました。
企画がプロダクトとなって実現するかは、クライアントとの相性みたいなものもありますね。

僕ら二人共、会社員をしていたので、企業の事情というものを良く理解できる。
会社の哲学という話になると、“いかに世の中を良くするプロダクトを生み出すか”という話になりますけど、実際は、なかなかそんな理由からモノを作れないですよね、会社って。
「あの金型が残ってるからさー」とか「その在庫を全部売るために何か新しいパッケージを考えろ」とかいう事情からモノが生まれる(笑)。

そういった会社の事情を考えながら、いかに面白いことをやって遊ぶか。
会社の事情と”面白い”を組み合わせる、あえて言いますけど、僕らはその天才なんです。
会社の事情を理解して共有しながら、どこまで遊ぶかということを提案できるので、クライアントともスムーズに話ができているのだと思います。

年齢や性別など、ターゲットとするユーザーの層をきっちりと決めて企画するのですか?

コアなユーザー層はある程度は想定しますね。

クライアントワークが多いので、クライアントのユーザー属性に合わせた企画にはしますが、でもそんなに極端にはユーザー層を絞りません。
間口としては、できるだけ広く取るようにしています。

例えば、今ガチャガチャは、20代女性が中心となって市場を拡大しています。
“駅のコンコースなど、きれいなところにきっちりとガチャガチャが置かれている”
“会社帰りに、何か面白いものがないかなと覗く”
ガチャガチャ「石」の場合は、その目に応えられる面白いモノを・・と考えました。

ザリガニワークスが作る企画書はどんなものなのでしょう?

大体、アイデアひとつにつき紙1枚でパッと説明します。
企画書はつらつら書いても意味がありません。
本質を1枚で伝えるべきものです。
紙1枚のビジュアルと簡単な補足、その程度で十分に伝わる。アイデアも企画書も、すぐれたものであればそうなるはずだと考えています。

「面白さを受け手に委ねる」グッズを手にした後に膨らむ面白さを企画する

ザリガニワークスのアイデアの源泉を探るという意味で、是非お聞きしたいのが、ザリガニワークスのスローガン「Fire Your Imagination」。
ザリガニワークスのお二人が“Fire”するんじゃなくて、“Fire”するのは“Your Imagination”ということですよね。
このスローガンには、どのような意味が込められているのだろう・・。

“Fire Your Imagination”は、ザリガニワークス設立以前の雑貨レーベル「太郎商店」のスローガンですが、会社のスローガンとしてもしっくりくるなと思い採用しました。

ユーザーの方に面白さを委ねる。
自分たちの世界観を「面白いでしょ」って提示するのではなくて、手にしたお客さんの想像力の発火点になるようなものを作りたい。
これは外せないコンセプトなので、“Fire Your Imagination”としました。

ザリガニワークスのグッズには、使い方や商品の説明があまり詳細に書いていないのですよね。
感じ方や使い方はご自由に・・
“面白さを受け手に委ねる”とはそういうことなんだな。

でも、“面白さを受け手に委ねる”なんて、変な誤解をされたりとか、心配じゃないかな。
気の小さい僕なら、「ガチャガチャなのに“石”って面白い」とか、面白さの説明を入れて押し付けちゃいそう。

でも、僕らのプロダクトを手にした人が、「このグッズをこんなふうに解釈しちゃう自分って面白い!」とか、「みんなの遊び方面白いなぁ!」とか感じること。
グッズそのものではなく、その気持ちを楽しんで欲しい。
グッズを手にした後に、その人自身の面白さが膨らんでいくような企画を考えるのが楽しいと感じます。

「コレジャナイロボ」でも、コレジャナイロボはどう面白いのかを僕らに熱く説明してくれるユーザーさんがいたりして。
ある意味、僕らにとっては大成功ですね。
とても嬉しいです。

“面白い”という快楽を享受していたら世の中が良くなっちゃったを目指したい

ザリガニワークスは会社ですが、これまでお金の話が一切出てきていません。どこでいくら儲かるとか緻密に計算しているのでしょうか?

正直、どこでいくら儲かっているかはよく解ってないですね。
でも、目先の儲けではなく、ここでこの人を噛ませたら、この企業は嬉しいのではないか・ユーザーも面白いのではないか、この企業さんにはこういうメリットがあったらいいのじゃないかと、座組の部分では計算しています。
皆が嬉しい座組を考えるのが得意なのが武笠で、元々実現しようと思っていた企画よりも、一回りも二回りも広がったプロジェクトにできちゃうぞとか、楽しく考えていますね。

具体的にいくらになるというのは解らないけど、あの人がこう嬉しくなるだろうというのはどんどん作っていける。
1つのプロジェクトをうちで抱え込むというよりは、広がりのイメージをたくさん作るということですね。
できることを始めから決めてしまうと面白くないので。

正直、ザリガニワークスのお二人からビジネス臭みたいなものを全く感じないのですが・・。

確かに、ザリガニワークスにはビジネス臭さはないかもしれませんね。
でも逆に、ある部分で僕らは人の冷たさをかなり意識しています。
そういうクールさはあるかな。

というのは、ビジネス的に「具体的なメリットがありますよ」とかB to Cでやってもしょうがない。
ましてやエンターテイメントの世界で。
一般のお客さんが「世の中が良くなるグッズです」とか言われても、買うわけないでしょう?
「お金払って、モノと面倒が増えて、世の中良くなるだけ?友達には何も自慢できないの?」というのが、人の本当の心だと思うのです。
「これ友達に見せたら自慢できちゃうじゃん」とか「このゲーム始めてから2日寝てないけどすごい面白い」とか、そんなことでないと人って動かない。

そんな快楽を享受していたら世の中が良くなっちゃった、というのが理想だと思っています。
“絶対に面白い”というところでコミュニケーションを取りたいし、それを実現するのがザリガニワークスの仕事だと、かなり強く意識しています。

10年後の夢は、これまで組んだことがない企業と“いちゃいちゃ”したい?

こんな企業と仕事をしてみたいなど、ありますか?

何でもやりたすぎるから、こんな企業というのは思いつかない・・。

企業とのコラボで印象に残っている企画というのはあって、例えば、‎Pentax(ペンタックス)とのコラボは楽しかったですね。
‎Pentaxは、真面目な会社というイメージがあるじゃないですか。
“研究者がいっぱいいる光学メーカー・・というイメージの会社と、一見ふざけたことをする”
だからこそ面白いものになるというのはありますね。
「あの‎Pentaxが?」と話題になって、Pentaxさんも喜んでくださいました。

PENTAX K-r コレジャナイロボモデル
©️zariganiworks

ザリガニワークスの10年後の夢についてお聞かせください。

それ一番不得意な質問ですね(笑)。

先日、TOKYO MXのアート番組にゲスト出演したときも聞かれて、二人で思いっきり目を泳がせたら、司会のバイきんぐ小峠英二さんに、「もういいです。夢ないならいいですよ」って突っ込まれました(笑)。

ザリガニワークスは2人の会社なんで、株主も従業員もいないから、10年後のビジョンなど見せる必要がないというのもありますね。
でも、今後こういうことやりたいとか、こんなこと思いついた!といった話はよくするので、それが将来への準備になっていると思います。

今後もやりたいこととして、クライアントさんと“いちゃいちゃ”したいというのがあります。
「全部考えてくださいよ」と放り投げられるのではなく、「全部考えてきたから全部言うことを聞いてください」と言われるでもない。
「当社はこんなことが得意だから、これでなにか遊べないですかね」というお話をいただくのが、一番嬉しいですね。
そんな企業と“キャッキャッ”と言いながら、企画を詰めていければ業態や業種は何も問いません。

ザリガニワークスと“いちゃいちゃ”したい企業、大募集といったところですね。

そんなスタンスなので、僕らには「何か企画して欲しい」みたいな、ざっくりと丸投げ風の依頼が来やすいのかもしれません。
でも、そこから始めて、全員で“いちゃいちゃ” “キャッキャッ”するのが楽しいのだと思います。

今後のビジョンという堅い話を“いちゃいちゃ”と面白く語ってくださっているけど、考えると“いちゃいちゃ”って、相思相愛・良好なコミュニケーションが成り立っていないと絶対できないことですよね。

色々な企業や今まで組んだことのない人たちと、引き続き“いちゃいちゃ”したいというのが、今後やりたいことでもあり夢でもありますね。

最後に、NOVEZO読者へのメッセージをお願いします。

「お仕事ください」ですかね?(笑)

みなさんが日頃、業務の中で触れている世界、見ている世界を、一緒に見させてもらいたいというのはありますね。
ザリガニワークスと関わることで、一緒に仕事をしてくださる方が「ああ、わたしの仕事っていいな」って、改めて自分の仕事の魅力を感じてくれたら嬉しいですね。

確かに、ザリガニワークスに相談すれば、どんな仕事も魅力的にしてくれそうだぞう!
今日は本当にありがとうございました!

ザリガニワークスtwitterを見て知りましたが、2021年4月22日でザリガニワークス設立満17年なんですね。

長く第一線を歩むザリガニワークスの企画・デザインで、販促物やノベルティを作れば絶対おもしろい企画になるはず!
興味がある方は、遠慮なくNOVEZOに問い合わせて欲しいぞう。

ザリガニワークスが気になる方、気軽にNOVEZOにご相談ください。

お問い合わせはこちら

販促アイデア事例をまとめました!(前編)

プロフィール:「ザリガニワークス」武笠太郎さん・坂本嘉種さん

武笠太郎さん・坂本嘉種さんによるマルチクリエイティブ会社「ザリガニワークス」。
「コレジャナイロボ」や「自爆ボタン」「土下座ストラップ」「石」など、玩具の企画開発やデザイン、「ごはんかいじゅうパップ」「弾神オドロッカー」「石膏ボーイズ」などのキャラクターデザイン、作詞作曲、ストーリー執筆等、ジャンルにとらわれないコンテンツ制作を広く展開。

MONO LINK
お役立ち資料一覧
ノベルティ企画・制作会社をご紹介します

ライティング:コンドウマリ

ライター・コーダー・DTPオペレーター。家電メーカー、IT企業、コンテンツ制作会社勤務を経て、2017年よりフリー。得意分野はあらゆるモノ系の解説の執筆。2児の母。

企画・編集:
NOVEZO編集部

SHARE

このエントリーをはてなブックマークに追加

お役立ち資料一覧

販促のアイデアや参考になる事例など販促・ご担当者さま必見の資料を無料でご用意!

資料一覧ページはこちら