マーケティングコミュニケーションとは、購買に至るまでのプロセスにおいて行われるコミュニケーション手法のひとつです。
マーケティングコミュニケーションの目的は、最適なタイミングで顧客と対話し、購買に結びつく確率を高めることにあります。
本記事では、50~60年前のマーケティング理論とも深く結びついた、古くて新しい考え方「マーケティングコミュニケーション」について、詳しく解説します。
これだけ変化している!マーケティング手法の歴史を振り返る
マーケティングコミュニケーションは、50~60年前に提唱されたマーケティング手法とも深く結びついています。
まずは、そもそもマーケティングとは何か、過去に生まれた概念を振り返って見ましょう。
マーケティングの4P
米国のマーケティング学者「ジェローム・マッカーシー(Jerome McCarthy)」が、1960年「ベーシック・マーケティング」を発表。
その中で、マーケティングの分析手法として有名なフレーム、「マーケティングの4P」を提唱しました。
4Pは、顧客に製品を届けるために企業が行うべき分析内容を示したもので、次の4つの頭文字を取って4Pと命名されています。
- PRODUCT:製品
- PRICE:価格
- PLACE:流通
- PROMOTION:プロモーション
4Pの考え方は、マーケティングの基本分析手法のひとつとして、現在も利用されています。
マーケティングの4C
デジタル時代に突入した1993年、米国の広告学者「ロバート・ロータボーン(Robert F. Lauterborn)」が、時代に即した新しいマーケティングの基本分析手法として「マーケティングの4C」を提唱しました。
4Cとは、企業主導で商品を開発・市場投入するプロダクトアウトではなく、消費者のニーズから商品を生み出し市場に投入するマーケットインの戦略が重要であるとした考え方です。
- Customer Value:顧客にとっての価値
- Cost:顧客が支払う対価
- Convenience:購買における利便性
- Communication:コミュニケーション
「マーケティングの4つのP」が企業視点の4Pとも呼ばれることに対し、4Cは「顧客・消費者視点の4つのC」と言われています。
マーケティングコミュニケーションとは?
マーケティングの4Cの「Communication:コミュニケーション」を活用するための手法として生まれたのが、マーケティングコミュニケーションです。
マーケティングコミュニケーションの目的
顧客の購買に関する心理プロセスは、「AISAS(アイサス)」や「AIDMA(アイドマ)」の法則として、まとめられています。
“Attention(注意)”・ “Interest(関心)”・ “Search(検索)”・ “Action(購買)”・ “Share(情報共有)”
“Attention(注意)”・ “Interest(関心)”・”Desire(欲求)”・ “Memory(記憶)”・ “Action(行動)”
マーケティングコミュニケーションの目的は、顧客が購買に至るまでの心理プロセスの中で、コミュニケーションを適切なタイミングで行い、購買に結びつけることにあります。
マーケティングコミュニケーションは、特別新しいマーケティング手法ではなく、紹介してきたマーケティングのフレームワークや法則とも密接に関連した、歴史あるマーケティング手法です。
マーケティングコミュニケーションの主な種類と事例
マーケティングコミュニケーションの例を、成功事例と共に紹介します。
広告宣伝
AISASの心理プロセスモデルの中では、「Attention(注意)」に相当する手法が、広告宣伝です。
広告宣伝では、TVや雑誌・新聞などの媒体を通じたコミュニケーションを行います。
メリットは、メッセージを広範囲に伝えられることや、画像・動画・音声など様々な伝達要素が使える点です。
一方、大きくコストがかかるというデメリットがあります。
一目で義理とわかるチョコ/有楽製菓
「一目で義理とわかるチョコ」という誰もが笑ってしまうキャッチコピーで、”注意”を引き寄せることに成功したのが、有楽製菓による「一目で義理とわかるチョコ」の広告宣伝です。
なお、キャンペーンがあまりにもヒットしてしまったため、有楽製菓が「義理チョコ文化を煽りすぎてしまった」とのコメントを残しています。
SNSマーケティング
AISASの心理プロセスモデルの中では、「Interest(関心)」に相当する手法のひとつが、SNSマーケティングです。
SNSマーケティングでは、Twitter・Instagram・LINE・FacebookなどのSNSを、最大限プロモーションに活かします。
下記で挙げている成功事例は、Interest(関心)を引き寄せるのに成功した事例ですが、近年では、AISASのすべての心理プロセスでSNSの活用が進んでいます。
SNSでシェアしたくなる商品「バスチー」
ローソンの主力デザート「バスチー」。
このデザートは、たまたまヒットしたのではなく、”SNSでシェアしたくなる商品”にするために計算され尽くした上で発売されています。
一度聞いたら忘れられない「バスチー」というネーミングだけでなく、黄色いパッケージもSNS映えを狙ったものです。
告知は、SNSキャンペーンを活用して大々的に行われました。
販促キャンペーン
AISASの心理プロセスモデルの中では、「Action(行動、購入)」に相当する手法のひとつが、販促キャンペーンです。
販促キャンペーンでは、購入に繋げるために、値引きや懸賞・特典の付与などを行います。
一方、単に値引きをするだけでは利益に繋がらないため、SNSを絡めたキャンペーンなど工夫を凝らして行う必要があります。
「鬼滅の刃」キャンペーン
ローソンが大人気漫画「鬼滅の刃」とのコラボキャンペーンを展開。
キャッチフレーズ「ド派手にいくぜ!」のとおり、菓子類の購入でもらえるというオリジナルポケット手帳が目を引く、太っ腹な販促キャンペーンです。
その他、おにぎりや”からあげクン”を、鬼滅の刃イラスト入りパッケージで販売販売するなど、”つい手に取ってレジまで運んでしまう”仕掛けが満載です。
まず戦略!マーケティングコミュニケーション戦略の立て方
紹介したマーケティングコミュニケーションの事例のように成功するために、まず行うべきは、マーケティングコミュニケーションの戦略を立てることです。
「流行だからTwitterを使ったSNSマーケティングを選択しよう」などと、戦略より手段を決めてしまう方法では、成功しません。
手法や手段ありきではなく、立てた戦略から逆算して、最適な手法を選択すべきです。
戦略の立案をするときの基本的な流れは次のとおりです。
- 目的・目標・予算を設定する
マーケティングコミュニケーションの目的とゴールを設定します。同時に、ゴール達成のために使える予算を算出します。 - コミュニケーションで伝えたい内容を決める
潜在顧客に対し、伝えたい情報を検討します。 - 手法の決定
検討した内容をどの手段で、どの媒体で伝えるか、コミュニケーション手法を検討します。 - 実行および効果検証
マーケティングコミュニケーション施策の詳細を決めて実行します。施策実施後は、ゴールを達成できたのか、成果や課題を検証する効果測定を行います。
まとめ
購買に至るまでのプロセスにおいて行われるコミュニケーション手法のひとつ、「マーケティングコミュニケーション」について説明してきました。
SNSの台頭で、販促に関するあらゆるコミュニケーションとSNSは切り離せなくなりつつあります。
ただし、コミュニケーション手段ありきではなく、戦略を練ることが一番重要であることを肝に銘じておきたいところです。
今後は広告だけの手法ではなかなか成果が出にくくなるのと、成果を出していくにはセールスプロモーション戦略が不可欠となるでしょう。
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