「販促」の意味って?
「販促」とは「販売促進」の略称です。英語では「セールスプロモーション」とも呼ばれ、販売促進のための活動全般を指すので、CMやチラシなどの広告宣伝から期間限定キャンペーンや初回特典プレゼントに至るまで、その内容は多岐にわたります。もちろん、目的は商品・サービスを売ることです。
また、販促はマーケティングの一部でもあるので、販促担当者がマーケティング部に配属されていることも多いです。マーケティングの基礎知識がなければ、販促は成功させられません。
じゃあ、販促する意味って?
販促の意味は販売促進、購入を促す行為です。それでは、販促する意味とはなんでしょうか?商品の魅力を消費者に伝えて購買意欲をくすぐり、購入まで誘導するのが販促です。つまり、販促する意味は消費者が「欲しい!」と思うきっかけをつくることにあるのです。
とはいえ、単にメリットを伝えるだけでは購買意欲が生まれません。「油汚れもきれいに落とせる洗剤です」と言われても、確かにメリットではありますが当たり前すぎて「欲しい!」とは思わないものです。「気づかなかったけど、確かにそうかも」と思わせる新しい発見を与えなければ、消費者の購買意欲は引き出せないのです。
そこで、消費者の購買意欲を引き出すための方法をご紹介します。
ターゲットと潜在的ニーズを分析しよう
販促活動において、ターゲット分析は最初のステップです。消費者の気持ちがわからなければ、「欲しい!」と感じさせることはできません。ターゲット自身も気づいていない内なる願望、潜在的ニーズを引き出し、そこに対して販促でアプローチしましょう。
主婦に人気の女性誌『Mart』は、徹底的な読者調査のもとヒット企画を多数生み出し、それが人気を呼ぶ秘訣になっています。たとえば、調理なべも単なる調理アイテムとして取り扱わず、「キッチンをオシャレにしたい」というニーズを発見して「あなたの台所の素敵なインテリア」として調理なべを紹介しました。毎日使うキッチンだからこそ、インテリアにもこだわりたいものです。従来の機能性が重視されたキッチンイメージでは、こうした消費者の内なる願望には気づかなかったことでしょう。
ただ、こうした内なる願望を見つけるのは簡単ではありません。ターゲット自身でさえ気づいていないのですから、深掘りして探る必要があります。深掘りすると、意外とシンプルで赤裸々な欲望があることがほとんど。さきほど紹介した主婦の「キッチンをオシャレにしたい」という願望も、さらに奥にあるのは「オシャレな人だと思われたい」「素敵な奥さんに見られたい」といった、わかりやすい変身願望からです。こうした人の本音にどれだけ気づけるかが、販促を成功させるカギを握っています。
SNS上で「文句」を探そう
「クレームは最大の成長材料だ」と言われるように、消費者の不平・不満を知るのも大切です。なぜなら、それらには本音や潜在的なニーズが詰まっているからです。
とはいえ、なかなか消費者の不平・不満を直接聞く機会はありません。そこで活用したいのがSNSです。匿名性が高いSNSほどユーザーの本音が出てくるので、不平・不満をリサーチするならTwitterがおすすめ。「こうだったらいいのに」という飾らない本音があり、そこに「欲しい!」を引き出すカギがあります。
販促する商材が決まっていれば、その商材の名前で検索をかけるのも手ですが、競合商材の名前で検索するのも得策でしょう。ポジティブな意見もネガティブな意見も参考になります。ポジティブな面は真似して取り入れてもいいですし、ネガティブな面は差別化ポイントとして取り入れれば競合優位性が生まれます。
消費者の不満からどの企業もクリアできていない課題が見つかれば、それを解決するオンリーワンの強みを生み出せるかもしれません。こうした理由から、商品の企画段階からリサーチのためにSNSを活用するのもおすすめです。
販促企画は「実現性」を重視しよう
とはいえ、消費者の声から販促の企画を立てようとしても、計画性のない絵空事は実現できません。本音をそのまま拾って販促に生かすのは至難の業です。販促の企画を立てるときのポイントは「実現性」。実現できる範囲内の企画を考えなければ意味がないのです。理想と現実のバランスを取り、工夫しながらできる限り理想的な販促企画を考えましょう。
費用対効果を予測するのも大切です。販促企画を実現するのにどれくらいのコストがかかり、どれくらいの効果(売り上げ)が期待できるか、なるべく綿密に計算し、数値を出しましょう。コストが高くてもその分高い効果を得られるのであればやる意味があります。今後も同様の販促を検討しているのであれば、最初はテストケースとして思い切って投資してみてもいいしょう。
一方で、数字だけでなく「おもしろそう」といった直感が得られるかも大切にしましょう。ヒットする企画は、検討段階でメンバーにワクワク感を与えるものです。社内稟議を通すにはロジックや数値が求められますが、自身の経験による直感も重要な判断材料となります。
背景のストーリーまで伝えよう
若い世代中心に、モノよりも背景にあるストーリーに価値を感じてお金を使う消費者が増えています。それに伴ってブランディングとしてストーリーを伝える企業が次々に誕生し、商品の価値を伝えるだけでなく、ビジョンや思いを伝える工夫が求められるようになりました。
ただ、ストーリーを伝えるのはとても難しいです。高尚なビジョンを語ってもうすっぺらい美談のように感じられ、消費者の心は動きません。矛盾するようですが、ストーリーや思い、ビジョンは言葉だけでなくモノやコト、体験を通じて伝えるべきです。イベントやキャンペーンでストーリーを体現したノベルティを配布するなど、目に見える形でメッセージを伝えましょう。たとえば企業として伝えたいストーリーが「豊かな時間を過ごし、自分を大切にする」というものならば、リラックスできる香りの入浴剤やアロマキャンドルを提供するなど、ストーリーに必要なモノを配布すれば伝わりやすくなるでしょう。
ターゲットの本音を知り、内なるニーズを汲み取る企画を実現し、商品の魅力だけでなくブランドのストーリーも発信していく。これほど強い販促方法はありません。ターゲットがワクワクするような、価値ある販促活動をしていってくださいね。
- 企画・編集:
- NOVEZO編集部
- ライティング:
- 秋カヲリ