プレミアムグッズとは(ノベルティグッズとの違い)
同じシーンで使われがちな「プレミアムグッズ」と「ノベルティグッズ」。
ノベルティグッズは、消費者や顧客に配る販促品というイメージがありますが、プレミアムグッズに違いはあるのでしょうか?
そこには意外と知らない明確な違いがあります。ノベルティグッズをしっかりおさらいしながら、プレミアムグッズのご紹介をしていきます。
ノベルティグッズとは
ノベルティグッズとは、企業が自社や商品の宣伝をするために、ロゴや名前を入れて無料配布する記念品のことを意味します。企業名や商品名、ブランド名などの認知度を高めるために配布されることが多いです。
街で配っている広告入りのティッシュも、ひとつのノベルティグッズだと言えます。家電量販店で携帯ショップがよく行っている無料抽選会で配布されているロゴ入りのグッズも「名称を入れて配布する記念品」なのでノベルティグッズですね。
プレミアムグッズとは
プレミアムグッズとは、購入者に追加で渡すアイテムのことを意味します。要は特典品、おまけです。
よく通販番組で「今こちらの商品をご購入いただいた方限定で、〇〇もお付けしてお届けします!」と特典品紹介をしていますが、この〇〇がプレミアムグッズにあたります。購入した人だけがもらえるおまけです。
ノベルティグッズ(記念品)は基本的に無料配布するものなので、商品を購入していない人にも配布するケースが多々ありますが、プレミアムグッズは商品と一緒に配布する景品として活用されるため、より限定感があります。
「プレミアム」という言葉には「高級な」という意味があり、特別感や高級感があるスペシャルグッズが配布されることも珍しくありません。
プレミアムグッズはターゲットがすでに「対象商品の購入者」だと決まっているのに対し、ノベルティグッズは配布するターゲットが決まっていません。
自社でターゲットを決めてからの制作となります。
これが販促するうえで大きな違いになります。
それでは、ノベルティグッズとプレミアムグッズ、それぞれの販促を成功させるポイントを事例を踏まえて紹介します。
話題性を高めるノベルティグッズ
無料で配布するノベルティグッズは新規顧客獲得に効果的ですが、うっかりターゲットを間違えると単なるバラ撒きになってしまい、コストの無駄になります。配るべきターゲットにしっかり届け、さらに今後の利益につながる導線として機能させるのがポイントです。
西武×台湾人気キャラクターの限定ノベルティグッズ
ノベルティグッズはインバウンドマーケティングでも大きな功績を残しています。秩父と川越にアクセスできる西武鉄道は、アジア圏を中心に訪日外国人旅行者数が増えています。
ほかの観光地と比べて知名度が低くマイナーな印象があるにもかかわらず、どうやって客数を増やしたのかというと、秀逸な販促施策によるもの。
ノベルティグッズも活用し、訪日外国人旅行者の興味関心を惹きつけました。
西部鉄道は、旅客誘致を狙ってさまざまな販促施策を展開してきました。そのなかでも反響を呼び、多くの新規旅客獲得につなげられた施策が、台湾で人気のキャラクター「LAIMO(ライモ)」とコラボレーションしたSEIBU×LAIMOのキャンペーンです。
LAIMOはマレーバクのキャラクターで、生みの親は台湾出身のイラストレーターCherng(チェン)氏。Facebookのフォロワーがなんと約100万人と、大人気のイラストレーターです。
キャンペーンの開催期間に川越に行くと、SEIBU×LAIMOの限定ノベルティグッズがもらえるとあって、外国人向けの乗車券「西武レールパス」の月あたりの売り上げは従来の3倍になりました。
Cherng氏のFacebookでも告知し、LAIMOのラッピング電車を走らせるなどファンが喜ぶ仕掛けをたくさん用意し、その効果がじゅうぶんに出たのです。
ただ、キャラクターとコラボすれば必ず人気が出てノベルティグッズの効果が発揮できるとは限りません。
西武鉄道も事前にLAIMOの人気をグループ会社がリサーチするなど、入念に準備してから実施しました。そもそも安定的に集客できている訪日外国人旅行者をターゲットにしたから、台湾で人気のLAIMOが刺さったのです。
鉄道絡みの販促では、そのほかスタンプラリーでノベルティグッズをつける施策が多く見られます。
スタンプラリーは労力がかかりますが、お出かけを楽しみながら体験できるのが人気です。
時間をかけただけ愛着がわきやすく、ファンを創出しやすい点がメリットだと言えるでしょう。
カバンに付けられるアロマ除菌ジェル
かばんに付けられる除菌ジェルは、このご時世多くの人から求められるニーズが高いノベルティグッズです。消耗品でたくさんあっても困らないのがポイント。
こうした時代に合ったアイテムをノベルティにすると、多くの人に喜ばれる販促キャンペーンが実現します。
エスピーギフト沖縄の「アロマアルコールハンドジェル」は、カバンに付けられるシリコンケース付きで見た目もさわやか。ソープ、ラベンダー、スイートピーと3種のアロマを楽しめる点もポイントです。
ニーズが高くメジャーな消耗品をノベルティにする場合は、ほかの競合アイテムに埋もれないように差別化するのも重要!おしゃれなデザインや特徴にこだわり、印象に残るノベルティにする工夫が求められます。
また、こうした持ち運びができるアイテムは外で広告の役割をしてくれることも多々あります。ノベルティグッズに会社やブランドのロゴを印字して、認知度を上げられるように意識しましょう。
その際はデザインに気を付けて、外で持ち運んでいても恥ずかしくならないおしゃれな見た目にすることが欠かせません。ロゴは見やすく、デザインはシンプルかつおしゃれにして、優秀なノベルティグッズを作りましょう。
キャラクターが人気!さまざまなノベルティグッズ
ノベルティグッズの定番と言えば、やはりキャラクターもの。約1万5000人が参加した「ドラゴンクエストⅪ カウントダウンカーニバル」で実施した、スタンプラリーをするともらえるノベルティグッズはかなりの人気を集めました。
ほかにも、ソフトバンクがショップの来店者に配布した「お父さん」グッズのノベルティグッズも人気があります。
こうした事例をみると、比較的ノベルティグッズはキャラクターものが話題になることが多く、集客につなげやすい傾向があるようです。ただ、キャラクターのノベルティグッズではなくとも、顧客のニーズに沿ったノベルティグッズであればじゅうぶんに喜ばれます。
顧客が商品の購入を検討している際にどんなことを求めているか、潜在的ニーズを分析してノベルティグッズを考案するといいでしょう。
商品力を高めるプレミアムグッズの事例
プレミアムグッズは、商品に特典としてついてくるもの。
理想的なプレミアムグッズは、商品が抱えている課題を解決したり、足りない要素を補うものです。
それによって商品力を高めることができ、より販促力が増します。
たまたまついていたおまけではなく、プレミアムグッズ目当てで買いたくなるような魅力があると購入につながるのです。
コンタクトレンズ×化粧品ブランドのコラボオリジナルポーチ
サークルコンタクトレンズ「シード Eye coffet 1day UV」は、化粧品ブランド「PAUL&JOE BEAUTE」とコラボしたオリジナルポーチをプレミアムグッズとして制作しました。
「コンタクトレンズ単体のプロモーションではおしゃれ感を作り出すのが難しい」といった課題を抱えており、PAUL&JOE BEAUTEとコラボすることでブランドイメージを守ったままおしゃれ感を演出したのです。
また、瞳を大きく見せるコンタクトレンズは「ギャルっぽい」といったイメージもあり、大人女性が抵抗を感じることも珍しくありません。
そこで、おしゃれな化粧品ブランドであるPAUL&JOE BEAUTEのポーチをつけることで、大人女性にも似合うという印象を与え、手に取りやすくさせる効果も狙いました。
結果的に、ポーチに対するイメージのアンケートを実施したところ、8割が「良い」「まあ良い」とおおむね好評。キャンペーン期間の売り上げは前年と比べて120%と成果を出しました。
ATC 缶詰リングコレクション「缶詰リングと中身リング」
商品をそのまま生かしたノベルティグッズでも、切り口次第で人気が出る可能性があります。
「ATC 缶詰リングコレクション 缶詰リングと中身リング はごろもフーズとサンヨー堂編」は、シーチキン缶などの容器と中身をそれぞれリングにしたおもしろ商品で、SNSでバズって大きな話題を集めました。
実際にリングの上に缶詰容器を外すと中身が出てきて、かなり注目を集めるだろうリングとして指先を彩ります。みかんなどのフルーツ缶も同様のリングとして発売されていて、こちらも大ヒット商品になっています。
【新商品】
— ネイチャーテクニカラー いきもん公式 (@NTC_ikimon) February 1, 2021
昨年の大ヒットアイテム缶詰リングの『中身』が衝撃のリング化‼️‼️
まるで指先サイズの食品サンプル…?
心ときめく透明感?✨
1カプセルに1セットの超豪華仕様です?#缶詰リングと中身リング#はごろもフーズ と #サンヨー堂 編
全6種 1回400円 カプセルトイ pic.twitter.com/tr64eYXKsk
ミニチュア玩具としてのおもしろさがあり、つい目がいってしまうキャッチ―な見た目は認知度拡大に効果的!意外性があればあるほど印象に残るので、なんてことない平凡な商品が思わぬヒットノベルティグッズになる可能性があります。
自社商品をもっと広めたい!と思っているなら、思い切ってこうしたファッションアイテムや文具などの日用品にして、ノベルティグッズとして活用してはいかがでしょうか?
SNSをうまく活用することで、爆発的に認知度を高められるかもしれません。ミニチュアアイテムであれば比較的ローコストで制作できるので、予算が限られている場合にもおすすめです。
ザ・プレミアム・モルツ「神泡体感キット」
プレミアムグッズにより、商品やサービスの魅力を最大化させることもできます。その例がサントリービールの「ザ・プレミアム・モルツ」がつけたノベルティグッズ「神泡体感キット」です。
同商品の魅力は、非常になめらかでクリーミーな「神泡」。
その神泡を家でもしっかり味わえるように、缶に直接つけるタイプの「神泡サーバー」と泡持ち1.2倍になるというグラスのセットをノベルティグッズにしました。
サーバーは「手動SS式神泡サーバー」と「電動超音波式神泡サーバー」の2種類があり、缶につけて注ぐだけでお店で出されたような濃密な泡ができます。
高価格帯のザ・プレミアム・モルツならではの高級感を強調でき、店頭では実演販売も実施。全国で約250万個が投入され、開始からわずか2週間で前年比173%と約2倍にも売り上げを伸ばしました。
ノベルティやプレミアムの制作を進めるときのポイント
ノベルティやプレミアムの制作を進めるときのポイントは、業種、目的、ターゲットにより異なりますが、基本的な共通する考えるポイントをお伝えします。
1:目的を明確化する
企業のPR(広報)、ブランディング、新商品のPR(広報)、来店促進、リピート購入の促進、購入率の向上など、目的を明確にしないと、ボヤけた企画になってしまいます。
2:ターゲットを明確にする
誰に対して提供するものかも、十分に検討する必要があります。社内向けか、取引先向けか、バイヤー向けか、エンドユーザー向けか。
さらには、社内向けであれば、全員か、男女別かなども検討できますし、取引先向けであれば、新規か既存かなども検討できます。
バイヤー向けの施策やエンドユーザー向けの施策も、もちろん同様です。
3:喜ばれるものか
上記のようにターゲットを細かく分類したら、世の中のトレンドやインパクト、使い捨てか残るものか、なども検討しなくてはなりません。
誰に対して、どう喜んでもらい、それが自社のメリットにどう繋がるかを設計する必要があります。
上記の1~3は基本的なポイントになりますが、さらには予算、納期など現実的な部分も考慮する必要が出てきます。
経済状況が厳しい今、消費者の財布の紐は固くなるばかり。
商品を手に取ってもらうには、背中を一押しする力が求められます。
消費者がパッと見たときに思わず「欲しい!」と思えるようなノベルティグッズやプレミアムグッズを企画しましょう。
きちんと戦略を立てて実践すれば、グンと訴求力が上がるはずです。
もし、プレミアムグッズやノベルティグッズの企画や制作に困ったら
こちら(お問い合わせ)からご相談ください!
- 企画・編集:
- NOVEZO編集部
- ライティング:
- 秋カヲリ