販促手法の一つとして、実店舗やオープンスペース、商業施設などでノベルティグッズを配布することがあります。大規模な施策にはなりますが、認知度を上げたいときに効果的です。
今回は実際の事例を出しながら、人気のノベルティグッズの種類を解説します。
絆創膏
2015年の秋冬ドラマ『無痛~診える眼~』では、初回放送日前後に渋谷駅・新宿駅周辺に大型ポスターを掲示して認知拡大キャンペーンを行いました。その大型ポスターには、ドラマのタイトル「無痛」から連想されるアイテムとして絆創膏が貼りつけられており、通りがかりの人々が絆創膏を取っていけるという仕様。絆創膏の名前は「特製『無痛』絆創膏」で、ドラマの認知を促すものでした。
絆創膏は掲示からわずか4時間でなくなった場所もあり、反響は上々。ノベルティグッズの絆創膏をはがすと、ドラマのキービジュアル(大きな「眼」の中に出演者の西島秀俊氏らの顔が入っている)が現れる仕組みになっていて、ノベルティグッズ配布後も大型ポスターとしてそのまま掲示しておける点も話題を集めました。視聴率も初回が全話の中で最高値をたたき出し、注目を集められたものと考えられます。
ガチャポン
ワクワク感があり、コレクター精神もくすぐれるガチャポンも、ノベルティグッズとして活用されています。ガチャの自販機そのものがプロモーションアイテムとして目立つこともあり、販促に適したツールと言えます。
商業施設やコンビニエンスストアなど、さまざまな場所で設置されているガチャポンには、小さな丸いプラスチックケース(カプセル)の中にキャラクターグッズなどのおもちゃが入っています。もともとは子どもに人気のガチャポンですが、最近は大人に人気のラインナップも誕生しており、大人を集客できるアイテムとしても注目されるようになりました。
ソフトバンクでは、全国のソフトバンクショップで「家族でチャレンジ!お父さんガチャキャンペーン」を開催し、ガチャポンにCMで人気のお父さんグッズを入れて集客アップにつなげました。同キャンペーンは、家族2人以上でショップに行くと、お父さんガチャができるというもの。スマホピアス、スマホクリーナー、ステーショナリーなどのグッズや、約30㎝のしゃべるお父さんBIGストラップなどがもらえるとあって、お父さんファンが集まり、キャンペーンの累計来店者数は200万人以上に。前年施策とのコストパフォーマンス比は約120%を達成しました。来店型のサービスならではの施策で店舗の集客につなげてはいかがでしょうか。
手鏡
商品価格を上げることで、よりリッチなノベルティグッズをつけることも可能です。美容アイテムであれば、手鏡は人気が高いノベルティグッズのひとつ。デザイン性が高い手鏡をノベルティグッズにすることで、美容アイテムの購買意欲を高められます。
育毛シャンプー「スカルプD」で有名なアンファーと女性向けメディア「MERY」がコラボした「まつ毛美容液」の限定セットは、「MERY」がプロデュースした手鏡をノベルティグッズとして販売しました。手鏡には「MERY」の心理テストコーナーなどを担当するItabamoe氏が3種類のイラストを描きおろし、合皮カバーをつけて持ち歩きやすいカードサイズに。まつ毛を塗り直す「化粧直し」のシーンで活用できるようています。
デザインは一種類だけでなく、取扱店舗によって異なるデザインを配荷。ECサイトでは発売からわずか2週間で1000個が完売し、店頭の消化率も約80%と好評。ほかにもバラエティストアやドラッグストア、楽天市場などで合計6万個以上を販売するほどの人気でした。ノベルティグッズのクオリティに加えて、きちんとターゲティングされたコラボレーションの力も存分に発揮された事例だと言えます。
商品のサンプル
同じく美容業界で人気が高いノベルティグッズが、お試しで使える商品のサンプルです。消費者にとって、初回購入はハードルが高いもの。サンプルをノベルティグッズとして配布することで、そのハードルが突破しやすくなります。
米国高級化粧品ブランドのエスティ ローダーは、赤レンガ倉庫で開催された音楽イベント「GREENROOM FESTIVAL」でパウダールーム「MAKE -UPSTAND」を開設し、メイク直しをする場を提供しました。そこで汗や皮脂に強いファンデーションのサンプル入りノベルティグッズを配ったのです。ファンデーション以外にも、メイク直しに必要な日焼け止めやアイシャドウ、リップなど多様なメイクアイテムをそろえ、多くのエスティ ローダーのアイテムを試せるようにしました。
野外イベントでは汗や皮脂によるメイク崩れが気になります。消費者心理を捉えてメイク直しスペースを提供し、さらにそこで求められるアイテムを用意することで、ニーズに沿ったアプローチを展開にしました。さらにスタッフがアドバイスを行うなどコミュニケーションの接点を設け、新規顧客獲得につなげています。
LINEスタンプ
最近はデジタルノベルティも人気を高めており、キャラクターコラボレーションしたLINEスタンプはその代表格です。無料通話・メールアプリであるLINEは老若男女問わず幅広い層に活用されていて、多くのユーザーにアプローチできるのがポイントです。さらにキャラクターとのコラボがしやすく、ユーザーの愛着形成にも効果的。一般的なノベルティグッズのように郵送費や在庫管理といったコストが生まれない点も魅力です。
江崎グリコの「ポッキー」とスヌーピーが登場する漫画「PEANUTS(ピーナッツ)」がコラボレーションした期間限定商品「ピーナッツポッキー」が販売された際、対象商品購入者限定で「Pocky×LINE 限定スヌーピー動くスタンプ」のプレゼントキャンペーンが実施されました。
キャンペーン特設ページでパッケージに印字されたシリアルナンバー14桁を入力すると、限定LINEスタンプがもらえるという施策は、キャンペーンをきっかけにポッキーを購入したというスヌーピーファンも多く、購入意欲喚起につながりました。こうしたノベルティグッズはリピーター創出にもつながり、ブランド強化にも貢献します。
AIチャット
これからのブランド体験はコミュニケーション型・対話型に移行していくと言われています。ユーザーとコミュニケーションすることで、モノ中心のアプローチよりも強い関係性をユーザーと構築できるようになり、リピーターとなるブランドのファンを生み出せます。
こうした背景から、人工知能AIによるチャットサービスも人気を高めています。最近はLINEで気軽にキャラクターとチャットできるサービスをデジタルノベルティとして提供する企業も増えてきました。LINEを活用したチャットサービスは、キャンペーン後もユーザーとの接点を維持できる点がメリットです。
企業のプロモーションを手がけるワイズインテグレーションが提供する「Promo Bot(プロモボット)」も、ノベルティとして活用されています。LINE上でキャラクターとチャットできるサービスで、シナリオライターがキャラクターの個性を捉えてストーリーを作っています。
タイアップしたキャラクターとチャットで対話をする仕様になっており、リラックスしたいときに飲むことが多い紅茶のキャラクターであれば気軽に悩みを相談できる相手になったり、疲れているときに飲む栄養ドリンクのキャラクターであればユーザーを励ましたりと、商品の特徴に合ったキャラクター設定にして、ユーザーの利用シーンにマッチした会話を繰り広げます。キャラクターとのチャットによってブランド体験がより豊かになり、愛着を高めるノベルティグッズとして活躍するでしょう。
このように、ノベルティグッズにはアナログなものからデジタルなものまで、さまざまな種類があります。
販促のアイデアに困っている方は今回の事例を参考に、ぜひノベルティグッズをご活用ください。
- 企画・編集:
- NOVEZO編集部
- ライティング:
- 秋カヲリ